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やまま日記12月

1日「荷物置き場」

に荷物がない。山のような荷物が消えて、とまどいは覚えないが。

日常にもどっただけ。非日常だったのは最初の2日ぐらいで、2日目にカギを掛け忘れてから、急激になじんだ。それでも、トイレに行くたびの出会い頭のインパクトは記憶に新しい。

持ってきたときと同じようにせっせと荷物を運ぶ若ダンナ。奥さんの姿は見えない。普段の働き者なのにな、外で車の見張りをしてるのかな。

登りより下りの荷物の方が難しい。狭い階段を苦労して降りる。冷蔵庫級のスーツケースを下ろすとき、手を壁かなんかに挟む。手伝えば良かった。

ま、断っただろうけど、一瞬だけ動かして足の親指を踏まれたときの痛さと重さを考えば、冷蔵庫そのもの、二人で運ぶのが正解だった。大丈夫かな。

食事に誘われて、断り切れずに食べる。知ってたらお腹を空かせて待っていたのに。食べるとこはいっぱいあります。カレーがおすすめだけど、ダンナはラーメン。朝から何も食べてないらしい。MVPはダンナ。ラーメンね。

ただの行きがかりで、そんな親しくない東南アジアの若夫婦となにを話すのか分からなかったけど、日本語検定をダンナが受けた話を思い出して、その話をする。

3級まではなんとか合格できるらしい。ちなみにダンナは4級を受けた。奥さんが3級。5級からだそうだが、ダンナは現場で鍛えたから余裕で飛び級らしい。「2級はなんでダメなの」?。二人は声をそろえてあきらめたような、イヤになっちゃうように言う。

「ドクカイ」

「どくかい?」。なんだそれ。「毒会」?。聞き間違いか。スマホで文字を見せてくれる。

「読解」

はいはい。文章を読んで理解できるか。この子たちならできそうだけど。そこら辺のメニューのうんちくを手当たり次第に読んでもらう。ほとんど読めるぞ。なんでダメなの?

「カンジ」。

ああ、漢字ね。一から覚えるのはね。ムリよね。ん?でも、それなりに読めてますけど……。「胡麻」が読めない。読めなくていい。熟語が難しいようだ。

練習問題を見せてもらう。長い文章問題。これを読んで内容の説明か。うーん、内容は普通に読めてるけど……あれ?設問が内容についてではないぞ。文章と文章をつなぐ「接続詞はどれでしょう?」。

正解は「ましてや」。

ボクも最初は分からず、結構本気で読んで正解できた。「おお」と言って驚いている夫婦。いやいや日本人を何年やってると思って……とはいえ、日本人でも難しいと思うよ。「ましてや」って「増してや」って漢字で書くのがホントの正解かもしれん。

日本語検定に落ちる日本人、普通に大量にいそうだ。

問題のための問題。こんな言葉、日常で使わない。だから試験が嫌いなんだよな。時間とエネルギーの無駄。試験を作る人たちの謎の基準で作った「問題」と「答え」。

食べおえて家に戻る。道を間違えて笑われる。この時間に歩くことはないからな。去っていく夫婦。これからどんな日本ライフが待っているのだろうか。階段をのぼる。手、大丈夫か。

なにもないキッチン。なじんだ分、少し拍子抜けしているようだ。夜中。トイレに起きる。「そういえば」と、荷物を思い出す。すっからかん。ふーん。目線がすぐに切り替わる。

ホントにもと通り。いい思い出になった。

2日「引っ越しの温度差」

本人はまったく準備してないのに、店ではお別れのカウントダウンが。

「やままロス」に備えているらしい。ペットロスみたいだ。みんなで遊びに来るという話でロス感を和らげてるらしい。知らぬ間に話が進んでいる。

辞める話を知っている常連さんが多くて、対応に苦慮しております。

誰だろ、言いふらす人は。Cさんだろうな。悪気はゼロだろうけど、オバちゃんのマイウェイはときどき疲れます。会って一年ぐらいか。タメだからか、ボクにはないパワーがある。

関係ないけど、Cさんが風邪の咳でノドがやられていた。別人の声。ハスキーな声。言ってることはだいたい同じだけど、耳を傾けて聞いてしまうセクシーさがあって戸惑う。

「声がやられた、やられた」と、しゃべることを止めない不思議なCさん。

「引っ越し・田舎・小屋作り」で話が進んで、そうしないとイケない感じだ。どっちでもいいんだよな。ま、訪ねてくることもないだろう。話のネタになってるだけだろう。

3日「体は困っている」

のだが、休まない、休めない。

Cさんの風邪。あいかわらずのハスキーボイス。「のど飴の舐めすぎで舌の感覚なくなってヤバい」という話を何回も聞いた。とりあえず、その話をするのはやめよう。のど飴の消費を少しでも減らそう。しかし、いつも通り、しゃべるしゃべる。

東南アジアの子。トイレに行って出てこない。ボクの数倍、健康保険料を払うぐらい働いている。「疲れて寝てるのかな」と、いつも苦笑いしていた。

今日、トイレの近くを通りすぎたら「ゲーゲー」と何回も聞こえた。「大丈夫?」と聞いたら、ケロリにしている。「疲れて、吐いてるだけ」。ダメでしょ。

具合がよくなって、「いらっしゃいませ」と大きな掛け声を出す。分かりやすい人だ。そして、昼めしをガッツリ食べる。また、午後、トイレに向かう。たぶん……。

「どうやらお金に困ってるらしい」と思われるぐらいシフトに入ってるオバちゃんはいつも、「寝る」のではなくて「寝落ち」しているらしい。

「それって気絶っすね」。

「寝落ち」でシフトに来ないで、1時間半ぐらい残業したような。生活を改めるのかなと思ったら「寝落ち」という言葉を今もたびたび聞くから、その気はないようだ。「シンドイ・シンドイ」といつも言っているからそろそろ。

と、思ったら楽しそうに「〇〇のスーツケースを買っちゃった」とスマホで見せてくれる。

持ってますやん。というか、バイト先に生活グッズが入ったスーツケース持ってくるのはちょっと。それと事務所にあるクジで当たったデカい人形もどうにか……。

いい人なんだけど、買い物だけは譲れないのか、お金の苦労を忘れるのか。「寝落ち」して目覚めてるあいだに、なんとか、かんとか。

3人とも体の悲鳴が聞こえないのか?聞こえているだろう。体の「サイン」より頭の「ヨウキュウ」に耳を貸している。「休まない」と、頭が指令を出している。

「休まない」から「休めない」に繋がるのは時間の問題か。Cさんは大きく体調を崩してシフトに穴を空ける。次からそんじょそこらじゃ「休めない」。東南アジアの子はもっと「休めない」。スーツケースのオバちゃんは……ま、それも本望か。

「40すぎたら、勝手にさせて」は、ありもあり、ぜんぜん分かる。

とはいえ、まずは、頭のヨウキュウより体のサイン。具合悪いと、なにやっても「宙ぶらりん」楽しめない。

4日「めしは自分で作る」

カップ焼きそばでもいい。湯を沸かして「3分」待って湯を捨てる。

手料理なら、なおいい。うまければ、「よし」とか「ほう」。そんなにおだてない。まずくても「ん?」とか「食える」。そんなに怒らない。ご飯がうまい、まずいと「のたまう」のは不自然で不毛だということ。まずは、生きるため。炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミン。

「消費者」ではなくて「生活者」。

この差がデカい。365日、5年、10年。財布にもトコトン優しい。たまに食べる外食の新鮮さよ。そして、また自炊に戻ったときの、手ごたえよ。

これがホントの「贅沢」。

昼ごはんはカレー屋さんでダルカレーとナンを食べた。ナンを手でちぎってひたすら食べる。うまいんだけど、それだけ。微妙に、ナンが「うすい」。あれ、Aセット値上がりした?

夜はカップ焼きそばで「お湯を入れる」だけ。似たような感想だと思ったけど、お湯を沸かして、頃合いを見てお湯を入れて、グズグズ3分ステイの果てに、お湯を捨てる。箸を両手にそれぞれ一本持って、ソースとフリカケをまんべんなくかき混ぜる。そして、パクっ。

うまい。湯切りの加減、最高ですやん。

久しぶりのカップ焼きそばということを差し引いても、二倍盛りということを考慮しても、目の前の食べ物の「食いごたえ」がちがう。

しかも、安い。ガス代と水道代と時間とエネルギーと、いろいろ掛かっておりますが、自腹。

だからか。理屈ではなくて、「労力」。一から手料理をすると、見返りを求めそうだ。まずはカップメンを真面目に作るのもありです。

とはいえ、たまにね。塩分、油分に添加物。「体に負担」は免れない。たまのカップ焼きそば二倍盛。食べてるときは天国だが、1000カロリー越えはキツイ。あとは寝るだけさ。

5日「PVが増えているか」

半月でだいたい「1」ぐらい。サイトも人生もマイペース。

SIMの関係で三日ぐらいインターネットが使えなかった。毎日公開するのが当たりまえだと思っていたけど、日記だけ書いて、公開しないのもありだと思った。

半月で「1」のペースでPVが増えているが、増えてるのは四月、五月の日記。ここ3か月「9、10、11月」は見事に「0」。日記の楽しさは同時性だと思っているから、

「なんだかなあ」の状態が続く。

久しぶりに日記を公開する。もし「1」PVも増えてなかったら、やめるか。ドキドキもしないが、増えてたらやっぱりうれしい。増えてなくても、やめるか分からん。

観察力と客観性を養って、「受け狙い」のスケベ心を満たす。

日記の公開には、こんな効能があります。観察力と客観性、少々の論理か。これはある程度、習得したような気がする。もっと磨きたいけど、時間とエネルギーも惜しい。人生は短い。まして、40過ぎのオジさんです。やりたいことも、ある。さて、どうだろ?

四月のPVが「1」増えている。

どうしたものか。5月は増えてないから、一見さんね。どちらにしても、毎日インターネットに接続して公開するのは控えよう。一週間ごとにサイトに行って、その都度、PVを見て決めるか。

このままのペースがありがたい。しみじみ、嬉しい。ペースが乱れたら、やめよう。いらん、心配か。

6日「銭湯の帰り道」

お金を使わないと外に出ない、用がないのは、都会。だから、今日は銭湯だけ。

銭湯のために、夕方、始めて外に出る。外の空気を読み違えて、部屋の中が寒いからね、ダウンで少しだけ暑い。12月なのにな。

世慣れした人たちとすれ違う。世の中から取り残された感をいつも味わう。車の行き来をぎこちなくやり過ごす。どうぞ、先に行ってください。横断歩道でゆっくり待とう。

引っ越しのことを考えていた。家にこうしてこもっているなら、どこでも一緒のような。自然が近い。それだけがメリットだと思っていたが、それも部屋にこもっていたら。それを言ったらそれこそ都会にいる意味は……あっ、

「銭湯」。

ホント、これだけだなあ。これ知っちゃうと、家の風呂は「桶」だよな。もう、戻れないよな。大量の水とガス代使って「桶」、「体育座り」。

20年、お世話になりました。

帰り道。なぜかその通りの人たちが連続して車で帰宅してくる。まさに駐車する人、バックの音だけ一瞬だけ聞こえる人、車のライトが灯っている人、ついでに窓から雨戸が閉まる音。みんな通りに集まっている。

なにかの縁を感じる。

一瞬だけ外に出ても、こうした可笑しなことが起こる。家にいても頭は世界を回る。退屈はしない。ただ、少しだけ「動きたい」。いいお年だから。

都会にいるとサボっちまう。

7日「後回し」

をしないように。

  • 冷凍庫からドリルのような音

外で工事でもやってると思った。どうやら、冷凍庫のようだ。もしかしたらすぐに収まるかもしれない。少し、様子を見よう。あと3回ぐらい音が続いたら。と思ったらBさんがその音を聞いてびっくり仰天してすぐに業者に電話する。

みるみる温度が低下していく。冷凍庫のスムージー大丈夫か。タッチの差というわけではないが、業者が来て温度が回復。冷凍モードの切り替えスイッチの劣化のこと。

  • 財布の落とし物

落とした人は分かっている。ボクが接客したわけではないが、常連さんで、となりで見ていたか。お札をペロリと舐めていたな。忘れたか。

一応、財布で身分証明書を確認。本人確認のため。ない、なぞのクシャクシャの紙。その割には結構な札束。ま、十中八九あの人だし。でも一応、カメラで。目の前の割引のスタンプを終えてからにしよう。来る前に、電話があるはずだ。

が、すぐ来る。大丈夫だろう。財布を渡す。ドキドキする。違ったら。カメラで確認。合ってる。良かった。でも、すぐ確認しとけば。いらんドキドキ。

あとまわし、いらん、ドキドキ。

8日「子供にめぐむ」

知らない子供にカードを買ってあげる東南アジアの子。

驚く極東のオジさん。慌てて子供と来るお母さん。説明に苦慮するオジさん。理由は、欲しそうに10分カードを見ていたから。

理由にならん。

「あげる」という同情ではなく、「めぐむ」という施しに近い。ボクはできて前者だろう。自然にそういう感情が沸いて動けるのは、羨ましい。

彼らの方がお金に不自由なのに。

お母さんは納得しない。納得なんて無理だろう。ある程度、同じ価値観がないと。「異国の習慣みたいです」。ボクも首を傾げることで、納得できないことを納得して帰って行った。

同情されて買ったと思われたら怒ったかもしれない。でも、なんとなく、ニュアンスは通じたかな。親切心を信じられない寂しさ。仕方ないか。

東南アジアの子が気になって聞きに来る。「なにか言ってました?」。「ありがと」って。

9日「クジ対策」

めんどい。

人気キャラクターのクジが週末にある。例のカップラーメンのように、時間と個数を決めて売ることになるかもしれない。

このクジはラストの一枚に豪華なオマケが付く。とすると、10時販売開始、お一人様5回で並んでもらって済む話ではない。

オマケのために、仮に60枚クジがある、12番目の人がラストのオマケをもらえる計算だが、11番目の人が12番目の人に、

「代わってください」「やです」。「あ、電話、お先どうぞ」「いえいえ、お気になさらず」。

だったら、並んでひとたちで、順番を決めるクジを作って引いてもらうか。12番がアタリです。つまり、それって

クジのためにクジを弾いてもらう。

当たった人はそこで運を使い切りそうだ。めんどい。いつも通りにすればいい。モラルがあれば買い占めなんてないだろう。期待できない、とういう前提で動いている、動くのも止む無しと思える、現場のモラルハザード実感。

どうなるんだろ。お菓子のオマケじゃないから、5枚で4000ぐらいするだろうから、いっぱい買うお客は限られるような気もする。

でも、10人は買えればいいだろうな。クジと大差ないか。つつがなくおわればいいな。

10日「焼き肉屋で飲み会」

26日の食事会を今週末の焼き肉に食い込ませてもらった。

さすがにチェーン店のスパゲッティじゃ忍びない。しのぶ会ならいいが、ボクもそれでいいけど、せっかく催してくれるなら他にないかな。

と思ってたところに、地元で一番の焼き肉屋の飲み会の話を聞く。頭越しにその話を聞いていて、できればそこで一緒に食事会ができたら、いろいろありがたいと思った。

声が掛かる気配がないからあきらめていたが、誘われる。これで誘われなかったら食事会もなかったことにした方がお互いのためだと思っていたが、良かった。

確実に引っ越しのことを聞かれるから、「なにもしてない」と言ったら、それはそれで、お別れ会になりそうだ。辞めるその日まで、村八分になるだろう。

ウソをつくのも忍びない。飲み会の話題作りで「こと」を進めたくない。

でも、進めてもいいかな。どこに住もうと同じだし。キューバの奥地、つまりだいたい地球のうわ側まで行って、外側にあるんじゃない、けっきょく

「自分しだい」って分かったし。

寝転んでダラダラ考える。いろいろ候補地があるけど、つまるところ、そこで「なにをしたいか」だと気づく。

じゃ、決めるか。

とりあえず、兄貴に「土地くれ」メールをしますん。

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